奥多摩で開催される 堀部安嗣さんと嶋田俊平さんの対談に参加してきました。
テーマは
「地方創生」
外から見えるものと、その場所に住む人が感じていることには「ずれ」があること
外から見るととても魅力的なのにそこに住む当事者は負の要素と捉えているケースが多い。
たとえば
過疎化が進む町に住む人にとって
「無人駅」や「人口700人」といった言葉は「恥ずかしいから言わないでほしい」
と当事者たちは思っている。
けれど裏を返せば実はどこにも負けないアピールポイントとなる
無人駅がホテルのフロントである 人口700人の村がまるごとホテルである
といったプラスの発信源に仕立てる
人口700人は裏を返すと豊かな自然のある奥地だから。そこには地元の人たちにとっては当たり前すぎてあることすら忘れている手つかずの絶景があったりする。
今回のホテルの施設としては、コンクリートの倉庫や養魚場跡など、一見すると負の要素と思われがちな存在が、新たに挿入されるものを引き立てたり、その逆(新しいものによって古いものが引き立てられ)が起こったり・・
建築で言えば
現代に求められる性能(=長期優良住宅 的な)を満たす建物ってなんだか「幕の内弁当的」(=バランスはよいが美味しいかというとそうでもない)になってしまうけれど、性能と離れたところにある建築は、成績優秀・高スペックではないいっぽう唯一無二の魅力「イカめし的な美味しさ」を持ってるよね、同じ弁当なら美味しいほうがいいよね という具合です。
人に例えると
短所があるからこそ長所が活きるような
生き物がその絶妙なバランスのなかで成り立つ唯一無二の存在だよね
という観点のお話が興味深かったです。
堀部さんの事務所OBの伊藤さんの丁寧な建築のご説明もとても良かった。
シナリオや図面や解説画なしで繰り広げられる1時間半の対談
長いどころか、もっと聞いていたいなぁ〜と思うような、年代問わず楽しめる
コミカルな会話のキャッチボール
週末に控える「森とすまいの会」のイベントのよいイメージづくりにもなりました。
